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さぬちゃんの麻酔科医生活


AIMSの現在地

LiSA 2019年2月号(Vol26 No.2)の[徹底分析シリーズ]のAIMSを企画した。

www.medsi.co.jp

徹底分析シリーズ

AIMS
広島大学病院 麻酔科 讃岐 美智義

◆AIMSとは何か
讃岐の野望を果たすために必要な要件
 讃岐 美智義

◆フライトレコーダーとしてのAIMS
収集したデータで麻酔の状況を再現できるか?
千葉県こども病院 麻酔科 内田  整

◆AIMSと外部機器連携,HIS連携
連携すると便利に使えるが,そのためには共通のプロトコルが必要
岡山ろうさい病院 麻酔科 斎藤 智彦

◆AIMSの守備範囲とグレード(讃岐分類)
松・竹・梅の提案
 讃岐 美智義

◆AIMS導入・維持コストはどこにかかるのか?
メーカー側の本音トーク
(株)フィリップス・ジャパン PCMSビジネスグループ 小倉 正樹
日本光電工業(株)生体モニタ事業本部 第一技術部 安丸 信行

◆ユーザーから寄せられた不満とメーカーの対応
ギャップはなぜ生まれ,なぜ埋められないか
日本光電工業(株) ITソリューション事業本部 事業企画部 藤沼 敏弘

◆AIMSは部門システムか医療機器か
メーカーが提案する理想の形
フクダ電子(株) システム技術部 吉澤 憲彦

◆周術期医療の標準規格
AIMS・JSA PIMSのシステム連携
帝京大学 医療情報システム研究センター 澤  智博

◆AIMS導入のための仕様書
後悔しない仕様書の作成
手稲渓仁会病院 麻酔科・集中治療室 片山 勝之

◆AIMS導入のための機種選定仕様書
メーカーの立場から
フクダ電子(株) システム営業部 大田 理豊

という内容である。

 

早速、各方面からご意見をいただいた。大部分が、勉強になったと言うことであるが、中に鋭いご意見があったので、(意訳ぎみに)紹介する。

「AIMSの現在の状況がよくわかりました。メーカー製のものよりPaperChartの方が使いやすいというユーザーがいるのも納得できます。結局、何を求めているのかが使っている人によって異なりますよね。作っている人が、ユーザーの意見に流されているのもわかります。企業ですからできることと、できてもお金にならないことの間に立たされているというのも理解できます。今回の特集で強く感じたのは、AIMSには決まった形がないだけでなく、目指している方向性がないんじゃないかということです。とりあえず、これまでの流れで作っている、売っているというのが正直なところかなと。。。」

 

ごもっともなご意見です。そこまで分かっていただければ、この特集を組んだ意味がありました。そうなんです。それが言いたくて、徹底分析にAIMSを取りあげました。

 

 AIMSを導入すると麻酔科医の仕事が楽になる!という時代はもう終わったのです。それは、当たり前です。そこから得られるデータによって、どの様に麻酔がきちんとなされたか、どの様に患者にフィードバックできるかを考えて、麻酔の○○が向上するという結果を出すための道具なのです。

そのために何をしなければならないのか?どんな仕掛けをしておく必要があるのかを考えることです。

毎日、麻酔を行っているとすればそこから得られる○○をうまく捉えることができる様なAIMSを目指すべきなのです。

 

○○は、色々な言葉が入ります。技術、スキル、患者予後、コスト、労働環境などなんでも思いつくものを入れてみてください。

 

個々の病院のデータだけでは比較にならないというのであれば、全国標準化を目指すべきですし、AIMSの導入コストが捻出できないと言うのであれば、電子麻酔記録加算のような保険診療点数加算を得ることができる様な学会からの働きかけも必要でしょう。

 

そのためには、AIMSの現在地をよく知って、何を変えるべきなのかを見極めることだと思います。多くの麻酔科医にこのことを知ってもらい、AIMSを変えていきたいと思っています。おおくの協力者を得たいと思っています。一緒にやりましょう。

AIMSの方向性の明確化とAIMSを導入して得られる○○効果をきちんと出すことが大切だと思っています。AIMSを導入すればOKではなくて、AIMSも結果にコミットしたいです。