麻酔電脳ブログに、AnestAssist PK/PDがでている。管理人も試用したので、ちょっと評価をかいておこうと思う。ユーザーインターフェースはiPhoneのようであるが、実用アプリとしては使いにくい。電脳麻酔ブログでもバージョン1.0なのでこんなものかという評価であるが、管理人も同感である。今後の改良を切に望む。日本で使用できるPropofol、Remifentanil、Fentanyl以外に、Alfentanil 、スフェンタニルを網羅している。教育用という位置づけなので、日本の麻酔科医が行っているような手術中にリアルタイムに投与量、投与変更を入力するという使い方を想定していないようである。開発メンバーをみてみるとエンジニアのみで作ったらしいので、麻酔科医の意向は反映されていないように見受けられる。AnestAssist PK/PDは術中でなく、教育現場で麻酔科医をAssistするという意味なのだろうか?今(now)というボタンがあればいいのだが、投与時刻を日付から要求してくる。また、グラフの切り替えもできるのだが、切り替えた薬剤、たとえばRemifentanilから追加投与を行っても、いちいち薬剤名、投与時刻、投与量(投与法)を聞いてくる。
一つスペルミスだと思うのだが、薬剤入力欄にあるug/mlはng/mlの間違いだと思う。持続投与単位にmg/kg/hrがなく、プロポフォールのシミュレーションを行うときにはmcg/kg/hrに1000倍した値を入れなければならず、間違いを誘発しやすい。日本の麻酔科医はきっとPalmacokineticsのような使い勝手の良いリアルタイムシミュレーターを要求していると思うので、もう少し改良の必要がある。パラメータであるがPropofolのみMarshとSchniderが選択できる。FentanylはScott、RemifentanilはMintoのパラメータである。もう一つ、Propofol-Opioid interactionsはAnesthesiology 2004. 100(6):1373-81.を引用している。
ちなみに、これを開発しているPalma healthcare systemのPalmaとは手のひら(Palm)とは何の関係もなくて、この会社のオーナーの名前らしい。