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さぬちゃんの麻酔科医生活

McGRATH MACって、骨董鏡(Macintosh)と同じ?── ビデオ喉頭鏡時代の「見える」と「入れる」は別

McGRATH MAC(Medtronic)が手術室の標準装備になって、もうずいぶん経ちます。
ブレードが「Macintosh曲型」だから、つい研修医にこう言ってしまうことありませんか。

「Macintoshと同じように使えばいいよ」

──いや、ほんとうにそうなんでしょうか。

私自身、骨董鏡(あえてこう呼びます!古いMacintoshには敬意があります)と同じ感覚でMcGRATHを使っていた時期がありました。でも、よくよく見ていると、「画面ではバッチリ見えてるのに、なぜかチューブが入らない」「すんなり入ったはずなのに、術後にひどい嗄声が長引く」──そんな例がポツポツ出てくるんですよ。

これ、Macintoshでは出会わなかった種類のトラブルなんです。

今日はそこを、それから自分の手の動きを思い出しながら、解剖学と最新の文献をおさえつつ、じっくり書いてみたいと思います。

さぬちゃんの独り言として、お付き合いください。

1. まず、声帯ってどこにあるんだったっけ?

挿管の話を始める前に、地図をみておきましょう。

口の中から覗き込んで、見えるものの順番です。

舌 → 軟口蓋 → 口蓋垂 → 中咽頭 → 喉頭蓋谷(vallecula)
                            ↓
                    喉頭蓋(epiglottis)
                            ↓
                  声門(vocal cords / glottis)
                            ↓
              披裂軟骨(arytenoid cartilages)── 後方に左右一対
                            ↓
                          気管

声帯は、甲状軟骨の内面の前方(前交連)から後方に伸びて、披裂軟骨の声帯突起に付着しています。だから声門を上からのぞき込むと、

  • 前端(前交連)=甲状軟骨の内側、舌から見て「奥のほう・上のほう」
  • 後端(後連合)=披裂軟骨、舌から見て「手前・下のほう」

喉頭展開時の見え方


ここで一つ大事なポイントがあって、ビデオ喉頭鏡の画面では、上が前方(甲状軟骨側)、下が後方(披裂軟骨側)になります。

Macintoshで肉眼直視していたときは、もっと空間的に直感的に「奥にあるな」とわかったんですが、ビデオ画面だと「あれ、上下どっちだっけ」って一瞬迷う研修医が必ずいます(耳鼻科の喉頭ファイバー所見とは上下が逆になりますから)。

最初に「画面の下が披裂軟骨」と一言かける。これだけで、その後の手の動きが変わりますから。

 

2. 声門の見え方を、どう記録するか ── CormackとPOGO

Cormack-Lehane分類

1984年、CormackさんとLehaneさんが、産科の困難挿管論文の中でぽろっと提唱した4段階分類です。

Cormack RS, Lehane J. Difficult tracheal intubation in obstetrics. Anaesthesia 1984; 39: 1105–1111.

Grade 1(声門全部見える)から Grade 4(喉頭蓋すら見えない)まで。世代を超えて愛されてきました。

ただ、長年使っているうちに、評価のばらつきが大きいことが見えてきたんです。とくにGrade 2(一部だけ見える)の判定が、人によって全然違う。

Arkala A, et al. Reliability of the Cormack-Lehane Classification: A Scoping Review. Cureus 2025; 17(3):e81159.

POGO(Percentage Of Glottic Opening)

そこで1998年、Levitanという救急医が「もっと連続的に測ろうよ」と提案したのがPOGO。

Levitan RM,  et al.
Assessment of airway visualization: validation of the percentage of glottic opening (POGO) scale. Acad Emerg Med 1998; 5: 919–923.

前交連から披裂間切痕までの全声門長を100%として、見えてる割合を%で表す。とてもシンプルです。

  • 100%:前交連〜披裂間切痕まで全部見える
  • 50%:半分見える
  • 25%:下1/4見える
  • 0%:声門が一切見えない(Cormack Grade 3〜4相当)

Cormackよりも観察者間の信頼性が高いことが古典的に示されていて、最近でも「POGOは連続スケールで使いやすい」と評価されています。

ビデオ喉頭鏡時代の新分類(2025)

つい最近、こんなレビューが出ました。

Perin D, et al. Imaging classification in videolaryngoscopy: are we on the right track?  2025 (PMC12410471).

Blade type(Mac vs Hyperangulated)× POGO(0–25%/50–75%/>75%)× Intubation difficulty の三つで記録しよう、という提案です。「見える」と「通せる」を分けて記録する流れになってきている。

これ、私はとてもしっくりきます。

さぬちゃんの実感:
研修医の記録、Cormack Grade 2aと2bでもめてる時間がもったいない。最初からPOGOで「今日は60%」と書かせる。それだけで、教育効果がぜんぜん違いますよ。

 

3. McGRATH MAC、本当に「Macintoshと同じ」?

3-1. 視野は確実に良くなる、これは本当

2025年のメタアナリシス(19本のRCTを統合)では、はっきり差が出ています。

Wang M, et al. McGrath video laryngoscope versus Macintosh laryngoscope: systematic review and meta-analysis BMC Anesthesiol 2025; 26: 53. doi:10.1186/s12871-025-03498-w (PMC12831246).

Cormack-Lehane Grade 1 取得率:RR 1.47(95%CI 1.14 – 1.89)

つまり、視野はMcGRATHのほうが圧倒的によい!これは明らかに視野改善です。

 

ところが、同じメタアナリシスのもう一つの結果がこれ。

  • 初回挿管成功率:RR 1.01(95%CI 0.96–1.07)── 有意差なし
  • 挿管時間:SMD 0.35(95%CI -0.14–0.85)── 有意差なし
  • 咽頭痛発生率:RR 1.00(95%CI 0.71–1.42)── 有意差なし

「えっ、視野は良いのに、初回成功率は変わらないの?」と思いますよね。私もそう思いました。

3-2. でも、「初回成功率」は条件次第

ここが本当に面白いところで、Kriegeらの大規模多施設RCTを見るとまた違う絵が見えてきます。

Kriegeらの大規模多施設RCT(2023, 予定手術 N=2092):

Kriege M, et al. A multicentre randomised controlled trial of the McGrath™ Mac videolaryngoscope versus conventional laryngoscopy. Anaesthesia 2023; 78: 722–729. doi:10.1111/anae.15985.

予定手術 N=2092のRCT:

  • McGRATH 初回成功率 94%(987/1053)
  • 直接喉頭鏡 82%(848/1039)
  • 絶対リスク減少 12.1%(95%CI 10.9–13.6%)
  • Cormack Grade ≥3 の出現率:8% → 0.7%

予定手術でこれだけの差が出るんです。これは「視野が良いから成功率が上がる」という、わかりやすい結果。

 

さらにKriegeら(2024, RSI設定):

Kriege M, et al. A comparison of the McGrath videolaryngoscope with direct laryngoscopy for rapid sequence intubation. Anaesthesia 2024; 79. doi:10.1111/anae.16250.RSIにおいても

 

 

McGRATH群で初回成功率・合併症ともに有意に良好。食道挿管・歯牙損傷・低酸素血症すべて減らした。ところが、別の系統的レビュー(11 RCT, 1379例の通常症例)では──

Sansone P, et al. Comparison of McGrath Videolaryngoscope versus Macintosh Laryngoscope in Tracheal Intubation: An Updated Systematic Review. J Clin Med 2023; 12(19): 6168 (PMC10573091).
  • 全体成功率:McGRATH 648/655(98.9%)vs Macintosh 620/629(98.6%)── ほぼ同等
  • 血行動態変化・有害事象も差なし

「両者は equivalent(同等)で、互いに補完し合うデバイスである」と結論しています。

「あれ、Kriege RCTと違うじゃん」と思いますよね。 何が違うんでしょう。

 

これは、こういうことだと思うんです。

通常の予定手術症例では、麻酔科医が無意識に「視野が悪そうな患者にはMcGRATHを使う/問題なさそうならMacintoshで十分」と事前選別している

たとえRCTでランダム化しても、もともと挿管難易度が低い母集団では、差がつきにくい。

でも、RSI、緊急、困難気道という「逃げ場のない状況」になった瞬間、McGRATHの「視野の優位性」が「成功率の優位性」に転換される。Kriege 2023の予定手術RCTでも有意差が出たのは、Kriegeのチームが「視野が悪そうな患者を除外しなかった」からだと思います。

3-3. つまり、McGRATHは「Macintoshの上位互換」じゃない

「視野が良い」と「挿管が成功する」の間には、チューブを声門に通すという手技が挟まる。ここに、ビデオ喉頭鏡固有の落とし穴が潜んでいると思うんです。

 

4. 喉頭蓋、上にかける?下にかける?

4-1. 教科書通りのMacintosh法:喉頭蓋谷に置く(間接挙上)

McGRATHのブレードはMacintosh形状なので、教科書通りなら

  1. ブレード先端を喉頭蓋谷(vallecula)に置く
  2. 舌骨喉頭蓋靭帯(hyoepiglottic ligament)にpressureをかける
  3. 喉頭蓋が間接的に持ち上がる
  4. 声門が開く

これが間接挙上。Macintosh先生(1943年 Lancet)の設計思想そのものです。

4-2. 直接挙上:Miller的な使い方

ところが、ビデオ喉頭鏡では、ブレード先端を喉頭蓋の下に滑り込ませて直接持ち上げるほうが視野がよくなる、ということがけっこうあります。

そして、これを定量化した論文があるんですよ。

Wünsch VA,  et al.  Hyperangulated blades or direct epiglottis lifting to optimize glottis visualization in difficult Macintosh videolaryngoscopy.

Front Med 2023; 10: 1292056. PMID 38098848.

 

Macintoshビデオ喉頭鏡で視野が悪い129症例で:

  • 直接喉頭蓋挙上に切り替えるだけで POGO +49.7%(95%CI 41.4–58.0)
  • Hyperangulated強弯ブレードに機器ごと交換した場合 +43.7%(95%CI 34.1–53.3)
  • 両方併用で声帯非可視率 0%(全例で声帯が見えた)
  • 直接挙上は、機器交換に対して非劣性

これ、すごい結果です。

つまりMcGRATH MACで視野が悪いとき、機器を変えなくても、「喉頭蓋の下にかけ直す」だけで激変する可能性がある

「あー、確かに」と思わず声が出ました。経験的にやっていたことにエビデンスが追いついた感じ。

4-3. 頸椎不安定症例では、直接挙上が有利

Choi S, et al. Direct versus indirect epiglottis elevation in cervical spine movement during videolaryngoscopic intubation under manual in-line stabilization: a randomized controlled trial.
BMC Anesthesiol 2023; 23: 303. (PMID 37679737)

直接挙上 vs 間接挙上(C-MAC D-blade、MILS下、N=102):

  • 後頭骨–C1 の頸椎可動:3.9° vs 5.8°(P=0.011)
  • 必要な挙上力が少ないため、頸椎への力の伝達が減る

頸椎症やC1-C2不安定症の患者では、意識的に直接挙上を選ぶ理由がここにあります。「直接挙上のほうが乱暴そう」と思いがちですが、実は力学的にはやさしい。これも目から鱗でしたね。

4-4. さぬちゃんの使い分け(独断と偏見および経験から)

状況 第一選択 補助手技
通常症例 谷部に置く(間接挙上) 必要なら下に滑らせる
POGO 0–25% で視野悪い 直接挙上に切り替え BURP併用
頸椎不安定 直接挙上 MILS下で愛護的に
喉頭蓋が大きい・垂れ下がり型 最初から直接挙上

「視野が悪い、機器を変える」前に、「喉頭蓋の下にかけ直す」を試してみる。

これだけで救われる挿管、結構あります。

 

5. 喉頭蓋脱臼と被裂軟骨脱臼─ビデオ時代の「隠れた」リスク

5-1. 「画面では見えてるのにチューブが入らない」とき、何が起きてるか

ビデオ喉頭鏡で声門がきれいに見えているのに、チューブだけが入らない。
このとき、披裂軟骨の前方脱臼が始まっていることが、けっこうあります。

ブレード先端、または進めているチューブやスタイレットが、披裂軟骨を腹側かつ尾側(前下方)へ押し込む。披裂軟骨は輪状軟骨の上縁に滑膜性の輪状披裂関節を作っていて、反復する前下方圧によって関節血腫・滑膜ヒダ損傷を生じ、二次的に脱臼様の固定が生じうると考えられます。

▶ 披裂軟骨前方脱臼の機序(声門の上方視)

       【画面の上=前方(甲状軟骨側)】

              /\  ←前交連
             /  \
       声帯/      \声帯
           /        \
          /  声 門   \
          \          /
           \        /
            \      /
             ●─●  ←披裂軟骨
       ━▶│押す│      ① ETT/スタイレット先端が
             │     │         披裂軟骨を腹側へ押す
             ●─●      ② ブレード先端が披裂軟骨後面を圧迫

       【画面の下=後方(披裂軟骨側)】

   矢印(━▶)= 前下方への押し込み
                 = 輪状披裂関節の前方脱臼の発生機序

チューブ・スタイレット先端の方向が画面下方(後方)に偏ると、披裂軟骨を直撃します。

5-2. 発生頻度と機序

気管挿管に関連する披裂軟骨脱臼の発生率は、0.009–0.097%(複数の単施設研究)、メタ解析でのプール推定 0.093%(95%CI 0.045–0.14%)とされています(Wu 2018, Xing 2024, Alalyani 2024)

気管挿管に関連する披裂軟骨脱臼の発生率は、0.009–0.097%(複数の単施設研究)、メタ解析でのプール推定 0.093%(95%CI 0.045–0.14%) とされています(Wu 2018, Xing 2024, Alalyani 2024)。

ただし、これは「明らかに診断された脱臼」の数字で、私の臨床感覚では「無症候の亜脱臼」を含めるともっと多いはず。術後の長引く嗄声を耳鼻科に相談すると、しばしば「軽い脱臼っぽい」と返ってきます。

 

機序:

  • 前方脱臼(多数派):喉頭鏡ブレードや挿管チューブが直接披裂軟骨を腹側に挙上
  • 後方脱臼(少数派):チューブの進入方向が後方に偏ることで生じる

5-3. 喉頭蓋自体の損傷

Takenaka I, et al. Malposition of the epiglottis after tracheal intubation via the intubating laryngeal mask. Br J Anaesth 1999; 83: 962-963 
Otsuki et al. Downfolding of the epiglottis into the laryngeal inlet after tracheal intubation using the McGRATH™ MAC videolaryngoscope: a case report. JA Clin Rep 2020 (PMC7275101)

盲目的にチューブを進めると、喉頭蓋を喉頭入口部に巻き込むことがあり、喉頭蓋浮腫を引き起こします。

ビデオ喉頭鏡でも、ブレードを深くしすぎて画面に喉頭蓋が映らなくなった瞬間、「あ、巻き込んでるかも」を見逃します。

予防:チューブが声門を通過するまで、画面に喉頭蓋を映し続ける(目を離さない)


意識的に「喉頭蓋を画面の上に置いて見ておく」だけで、巻き込み事故はかなり減ります。

 

6. スタイレットの曲げ方──60°か90°か、それとも...

6-1. なぜスタイレットが要るのか

McGRATH MACのブレードはMacintosh形状(弱弯曲)なので、強弯曲の(GlideScopeのような60°湾曲)ほど急峻じゃありません。でも、カメラはブレード先端寄りについているので、肉眼直視と違って口腔内軸・咽頭軸・喉頭軸が完全には一直線にならない!(ここ大事)

このため、Macintoshで使う「肘から先まで真っ直ぐ」のチューブだと、画面で声門が見えていてもチューブの先端が画面下方(後方)に向かってしまい、披裂軟骨を直撃するんですよ。

これが「見えてるのに入らない」の正体の一つです。

6-2. 60° vs 90°、答えはちゃんと出ている

Lee JH, et al. Stylet angulation for routine endotracheal intubation with McGrath VL: 60° vs 90°.
Medicine (Baltimore) 2017; 96: e6045. PMC5319538.

N=140(McGRATH MAC、無作為化、ASA I–II):

  • 挿管時間:60° 29.3±6.4秒 vs 90° 32.5±9.4秒(P=0.022)─ 60°が有意に速い
  • 声門グレード・挿管困難度:両群で有意差なし
  • 口腔咽頭出血:有意差なし

結論:60°くらいが至適(90°では曲げすぎ)

私自身、McGRATH MACでは約60°ブレードの後面の形状にして使っています。90°だとチューブ先端の方向転換が急すぎて、声門通過後に気管前壁を擦りやすい(前壁衝突)。

6-3. さぬちゃんのスタイレット作法(McGRATH MAC用)

  1. チューブにスタイレットを通す
  2. スタイレット先端をチューブのカフより手前で止める(先端を絶対に突出させない)
  3. カフから2〜3cm口側で約60°屈曲
  4. それより口側は完全に直線
  5. 声門通過したらスタイレットを2〜3cm引き抜きながらチューブを進める(前壁衝突解除のため)

5番目が大事なんですよ。「スタイレットを引きながらチューブを進める」。

これ、研修医は言わないとやらないんです。スタイレットが入ったままぐいっと押し込んで、結果、気管前壁をスタイレット先端で擦る。あれが術後の咽頭痛・嗄声の隠れ要因になっていることが多いと思っています。「引きながら進める」を口癖にして指導してます。

7. まとめ──McGRATH MACは骨董鏡と「同じじゃない」

長くなったのでまとめます。

McGRATH MAC、Macintoshとここが違う

項目 Macintosh McGRATH MAC
視軸 肉眼直視(直線) 画面(先端カメラからの間接視)
軸合わせ スニッフィング体位で3軸合わせ 完全に合わせなくても見える
喉頭蓋操作 谷部に置く(間接挙上)が標準 状況により直接挙上を積極選択
スタイレット ストレート〜軽度カーブ 約60°屈曲形状
視野⇔成功 ほぼ一対一 解離しやすい
視野が悪いとき BURP・体位再調整 直接挙上に切替も考慮
披裂軟骨脱臼リスク 過剰挙上で発生 チューブ・スタイレット先端の前方圧で発生
術後嗄声・声帯損傷 喉頭鏡の力学が主因 チューブ通過時の機械的ストレスが主因

「同じように使えばいい」は違うんです

McGRATH MACは、Macintoshが提供する「視野」をはるかに凌駕します。Kriegeらの2023年RCTでも、CL Grade ≥3が8% → 0.7%まで激減することが示されました。これは事実です。

でも、チューブを通す手技は別物なんです。視野が良いことに油断して、

  • 喉頭蓋を間接挙上のままにして谷部から外せない
  • スタイレットを真っ直ぐのまま使う
  • 披裂軟骨に向かってチューブを直進させる
  • カフ圧管理・体位を軽視する

これを続けていると、「初回挿管は成功した、でも術後嗄声が長引く」「綺麗な声門視野下で被裂軟骨脱臼」という、ビデオ喉頭鏡時代に固有の合併症を量産することになると思っています。

 

さぬちゃんの処方箋

  1. POGOで記録する。CL Grade 2aで時間を使わない
  2. 視野が悪いとき、機器を替える前に「直接挙上」を試す(POGO +49.7%)
  3. スタイレットは60°ブレードに沿わせた形状に曲げる
  4. 声門通過したらスタイレットを引きながらチューブを進める
  5. 画面に喉頭蓋を映し続ける(巻き込み防止)
  6. 「見える」と「通る」は別次元の話だと自覚する

McGRATH MACは Macintoshの「後継」じゃなくて、別の楽器です。
ヴァイオリンとビオラくらい違う。形は似てるけど、奏で方が違う。

そのつもりで、もう一度、指導する側ももう一度、明日からの挿管を見直しませんか。

Reference

  1. Cormack RS, Lehane J. Difficult tracheal intubation in obstetrics. Anaesthesia 1984; 39: 1105–1111.
  2. Levitan RM, et al. Assessment of airway visualization: validation of the percentage of glottic opening (POGO) scale. Acad Emerg Med 1998; 5: 919–923.
  3. Arkala A, et al.  Reliability of the Cormack-Lehane Classification: A Scoping Review. Cureus 2025; 17(3): e81159. doi:10.7759/cureus.81159.
  4. Perin D, et al.   Imaging classification in videolaryngoscopy: are we on the right track?  Braz J Anesthesiol 2025. doi:10.1016/j.bjane.2025.844671 (PMC12410471).
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  6. Kriege M, et al. A multicentre randomised controlled trial of the McGrath™ Mac videolaryngoscope versus conventional laryngoscopy. Anaesthesia 2023; 78: 722–729. doi:10.1111/anae.15985.(PMID 36928625)
  7. Kriege M, et al. A comparison of the McGrath videolaryngoscope with direct laryngoscopy for rapid sequence intubation. Anaesthesia 2024; 79. doi:10.1111/anae.16250.
  8. Sansone P, et al.  Comparison of McGrath Videolaryngoscope versus Macintosh Laryngoscope in Tracheal Intubation: An Updated Systematic Review (10 RCTs, 1284 patients). J Clin Med 2023; 12(19): 6168. doi:10.3390/jcm12196168 (PMC10573091).
  9. Wünsch VA,  et al.   Hyperangulated blades or direct epiglottis lifting to optimize glottis visualization in difficult Macintosh videolaryngoscopy: a non-inferiority analysis of a prospective observational study. Front Med 2023; 10: 1292056. doi:10.3389/fmed.2023.1292056 (PMID 38098848).
  10. Choi S,  et al. Direct versus indirect epiglottis elevation in cervical spine movement during videolaryngoscopic intubation under manual in-line stabilization: a randomized controlled trial. BMC Anesthesiol 2023; 23: 303. doi:10.1186/s12871-023-02259-x.(PMID 37679737)
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